XiaomiのRedmi Note 9S。この端末のことを知っているあなたは中々アンテナが高い。
この端末こそ中国の大手スマホメーカーXiaomiが、日本市場を本格的に獲るために送り込んできた刺客と言っていい。
2万円台と破格の安さながら、その性能は日本メーカーのあらゆるミドルレンジスマホより上の性能である。というかXiaomiが同時に発売した上位機種のMi Note 10 Liteより性能が高い。
Xiaomiはこの端末のすごさを際立たせるために、どういうわけか自社の端末すらかませ犬にしてしまうという荒業をやったわけだ。私にはどういうメリットがあるのかさっぱりわからない。
さておき、この端末のコスパが凄まじいのは間違いない。そんなのはスペックを見ているあなたもご存じのことだと思うが、本当に気になっているのはこの端末が本当に使えるかどうかということではないだろうか。
この端末を怪しく思うのは無理もない。なにせ日本ではほとんど知られていない中華メーカーだし、いくら何でも性能に対して値段が安すぎる。何か罠があるのではないか。
そんなあなたのために、私は自腹でこの端末を購入した。これから良いところも悪いところも余すところなく伝えていこうと思う。あなたはこの記事を読んで、納得してから買うなり見送るなりしていただければ幸いである。
今回お伝えするのは、開封と初期設定、そして私が最も気になっているバッテリーの持ちの調査だ。
それでは前置きが長くなったが、本題に入ろう。
開封の儀。充実した同梱品を確認
こちらがRedmi Note 9Sのパッケージだ。海外で売っているグローバル版ではなく、日本国内版である。値段は国内版も一緒なので、グローバル版を買うメリットはない。
こちらが同梱品である。
- 本体(保護フィルム貼り付け済み)
- TPUケース
- 説明書
- SIMピン
- USB Type Cケーブル
- 充電アダプタ
ケースは最初から付属しており、保護フィルムも貼り付け済みとなっている。
実は中華メーカーのスマホは同梱品が非常に充実している。基本的に本体を買うだけで必要なものがそろう。
日本のメーカーはケースどころか、充電アダプタすらない物が多い。企業体力の差を見せつけられているようだ。
本体はかなり鮮やかで綺麗だ。高級感がある、というほどではないが、決して安っぽくはない。少なくとも、この本体だけを見て、2万円台のスマホだと見抜ける人はほとんどいないだろう。
さすがに200g以上あるだけあり、結構重い。その分画面もでかい。
このスマホの売りの一つであるカメラ部分。2万円台ながら、レンズが4つもある。ただし、本体からかなり出っ張っていて、少々不格好だ。
これは付属のケースを付けることで、ある程度緩和される。カメラ部分がでかいのも、その分大きめのセンサー(大きい方が画質が良くなる)を搭載できている、と好意的に受け取れなくもない。
写真では分かりづらいかもしれないが、しっかりと本体に保護フィルムが貼り付けられている。
私は保護フィルムを貼るのが苦手なので、これは非常にありがたい。もちろん、気泡やホコリは一切入っていなかった。
SIMカードスロットを取り出した。ありがたいことにSIMを二つ差すことができ、microSDカードスロットもしっかりある。
これで電話番号を2つ持つことができるし、保存容量も後から拡張できる。
ケースを装着。付属の物なので、もちろん本体にぴったり合う。強度にも問題なさそうだ。
ケースを装着すると、カメラ部分の出っ張りが目立たなくなる。この本体はケース装着が前提の設計だと思っていい。
ケースの下部には非常に珍しい機構があった。充電端子を覆うカバーがついていたのだ。
これはおそらく防水に配慮したものだ。水しぶきが付着して故障するのを防いでいると思われる。
Redmi Note 9SはIP規格こそ取得していないが、一応防水性能が備わっているらしい。ケースを使用することでさらに防水性能が高まるようになっている。
ただし、これがあることで充電は少々不便になっている。ワイヤレス充電機能があれば問題なかったのだが、さすがに2万円台のスマホでそれはついていない。
ここは痛しかゆしといったところだ。
初期設定。Googleを利用して数分で完了
外側のセッティングが完了したので、次は電源を入れて中身の設定を完了させよう。
中華端末だからといって心配することはなく、ちゃんと日本語が選択できる。
画面を付けた感じは、かなり高精細で美麗な画面だ。ただし、隣にある有機ELのOPPO Reno Aと比べると、若干暗めで、色の鮮やかさも劣っている印象を受けた。まあ、隣に置かなければ、気になるほどの違いではない。
データの引継ぎも用意されている。最近のiPhoneは隣に置くだけで引き継ぐ機能を持っているが、Redmi Note 9Sも持っているようだ。
選択肢にはiPhoneも存在する。
今回、私はクラウドからバックアップ(Googleアカウントからの復元)を使用することにした。
クラウドからの復元だけで、ほとんどの機能は引き継ぐことができる。
引き継ぐことができないのはアプリ内部の細かな設定や、ストレージに保存されているファイルなどだ。
アプリ内部の設定はやり直すしかないが、ファイルに関してはGoogleフォトやGoogleドライブを使用することで、かなりの部分がカバーできる。
あっという間にセットアップが完了した。ここまで10分弱しかかかっていない。iPhoneのセットアップは非常に楽だと聞くが、Androidもなかなか負けていないのではないだろうか。
初期状態では古くからおなじみのボタンインターフェースとなっているので、スワイプアップジェスチャ(画面ではフルスクリーンジェスチャー)に変更する。
これで片手で簡単に操作できるようになる。私は大型のスマホを使うにあたって、この設定は必須だと思っている。
5020mAhのバッテリーを試す!
さて、大体の設定は終わった。
これでスマホが使えるようになったわけだが、私はこの端末が手に入ったら最初にやってみたいことがあった。
それは、バッテリーがどれくらい持つかということだ。
この端末には5020mAhの大容量バッテリーが搭載されている。これがどれくらい長持ちするか試したかった。読者の方もかなり知りたい情報なのではないだろうか。
試すにあたっては、私が日頃最もスマホに負荷を与えている機能を使用しようと思う。
何を隠そう、ファイアーエムブレムヒーローズである。このゲームには周回要素のあるイベントがあり、そのたびに私はマヨネーズが錬成できそうなくらいグルグルと周回している。これをひたすらぶん回そうと思う。
周回にあたっては、自動で操作を行ってくれるモードがついている。これで私はたまに画面を見るだけでよくなる。
開始時のバッテリーは当然100%だ。残り43時間30分というのは本当だろうか。
最適化というボタンがあるが、これを使うとさらにバッテリー効率を上げることができるのだろう。だが、今回はこれを使わずに素の状態で試すことにする。
なんと恐ろしいことに、開始して30分たってもバッテリーが100%のままだ。この数値は本当なのだろうか。
本体が熱くなるようなことも全くない。なんと頼もしい端末なのだ。
そして約2時間後、私はようやく周回をやめた。いつもならスマホのバッテリーの方が尽きるのだが、今回は私の疲労の方が勝ってしまったのだ。
残ったバッテリーは88%。これだけゲームをぶん回し続けて12%しか消費していない。やはり5020mAhは伊達でない。
ゲームをしていて気づいたのだが、このスマホにはタスクキルを抑止する機能が備わっているようだ。
この端末は4ギガのメモリを搭載している。少ないというわけではないが、決して多くはない。この容量だと、別の作業を行っているうちに、ゲームが落ちてしまったということもあり得る。
タスク一覧を開く、目的のアプリを数秒間タッチすると、鍵のアイコンが表示される。これをタップすると、アプリがタスクキルされるのを抑えることができる。
充電して約9時間後、バッテリー残量は70%となった。その間、ゲームや読書、動画鑑賞などをちょくちょく行っている。
平日に会社や学校に行き、帰ってきた時と同等以上にスマホを使用したと思う。その結果残っているのが70%となると、かなりバッテリーには余裕があると言っていいだろう。
間違いない。Redmi Note 9Sのバッテリー容量は本物だ。
これで2万円台なら大満足の一台
さて、使い始めて初日が終わった。
まだ使い切れていない機能の方が多いが、それでもこのスマホの実力の一端はわかったと思う。
まず、本体の同梱品、品質は値段以上と言っていい。このスマホなら、外で持ち歩いていても、安っぽいと思われることはないだろう。
処理性能も期待通りだった。重い処理を実行したわけではないが、日常的な作業を行っている間、ストレスを感じる場面は全くなかった。私の印象では、レスポンスはiPhone SEにも劣っていないと思う。
バッテリーの持ちも数値通りだ。一日ヘビーに使い倒しても、十分耐える容量がこのスマホにはある。バッテリー切れが不安な人には、最高の一台と言っていいだろう。
現時点で少し不満を感じたのは、本体の大きさと重さだ。私は大きいスマホの方が好きなのだが、それでも少々扱いづらい大きさだと感じた。しかし、その分画面は広い。
もう一つ残念なのは、スピーカーが一つしかないということだ。これは少々贅沢な意見かもしれない。格安スマホにおいて、もっともよく犠牲になる機能の一つがスピーカーである。Redmi Note 9Sのスピーカーは値段なりの品質だ。iPhone SEとは天と地ほどの差がある。
総括すると、値段なりに安っぽい部分もあるが、スマホとして重要な機能はかなり高水準にまとめられている。
今後はカメラ、3Dゲーム性能や更なるバッテリー性能を検証していくことになるだろう。あなたがスマホを選ぶ一助になれれば幸いだ。
ちなみに、このスマホを買うときは国内版とグローバル版があることに注意してほしい。グローバル版は日本とはバンド対応が違う可能性があり、さらに日本で使うとバグが発生するとの報告も耳にしている。
Amazonで注文するときは、下記の日本正規代理店品を購入することをお勧めする。
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