Xiaomiと言えば、凄まじいコスパのスマホを連発している中国の巨大メーカーである。
まだ日本には本格的に進出していないが、今回紹介する端末は珍しいことに日本向けにも発売されているモデルである。それが「Xiaomi Mi Note 10」だ。
本スマホはミドルクラスとしてそこそこの性能を有しており、カメラはなんと1億800万画素に5眼構成という、なんとも豪華な仕様の端末だ。
そんなスマホであっても、Xiaomiならコスパは高いはず……と思ったら、そんなことは無かった。この端末の価格は5万8000円。
技適を取得すると、Xiaomiのスマホであってもコスパは微妙になってしまうということを思い知る結果となってしまった。
スペックと評価
※2020年度のスマホの評価基準をもとに作成
項目 | 詳細 | 評価 |
発売日 | 2019/12/16 | - |
値段(コスパ) | 約58000円 | ★★☆☆☆ 技適を取得するとXiaomiのコスパもイマイチ |
SoC(処理性能) | Snapdragon 730 antutu 25万点 | ★★☆☆☆ ミドルクラスとしては中々の性能。価格を考えると微妙 |
メモリ | 6GB | ★★★☆☆ 値段からすると普通 |
バッテリー(電池) | 5260mAh 30W急速充電 | ★★★★★ 大容量。充電しなくても一日余裕で持つ |
写真などの保存容量 | 128GB microSDカードスロット無し | ★★★☆☆ 普通の容量。 |
画面の綺麗さ | 2340*1080 有機EL | ★★★★☆ 十分な解像度に、有機ELの美しい画面 |
携帯性 | 6.47インチ 74.2*157.8*9.67mm 208g | ★★☆☆☆ かなりでかくて重い |
防塵防水 | なし | ☆☆☆☆☆ 残念 |
カメラ(画素数) | 外:1億800万 ポートレート:1200万 超広角:2000万 望遠:500万 マクロ:200万 内:3200万 | ★★★★☆ なんと外カメラが5つもついている。高機能なのはいいことだが、無駄に高画素にしすぎ |
オプション | ・顔認証 ・画面内指紋認証 ・充電アダプタ ・USB-Cケーブル ・ヘッドセット ・保護ケース ・SIMピン | ★★★★☆ 画面保護フィルムが無いのは残念だが、その他に必要な物は揃っている |
★合計 | 50点満点中 | 29点 |
そこそこの性能だが、価格を考えると微妙
まず性能から見ていこう。Xiaomi Mi Note 10はミドルクラスに分類されるスマホとなり、スマホ全体で言うとちょうど真ん中くらいの性能を持っている。
数値で分かりやすく説明すると、スマホの性能を測るベンチマークソフトのスコアが約25万点。iPhone 11が約50万点なので、その半分程度と言うことになる。
なかなか悪くない性能……と言いたいところだが、価格から考えるとこの性能は微妙だ。
まず同価格帯で思いつくスマホにHuawei nova 5Tがあるが、この端末は約55000円でベンチマークスコアは約30万点である。

コスパの高いHuawei nova 5T。技適を取得しており、Googleアプリも問題なく使える
価格でも性能でも負けている。この結果は正直Xiaomiらしくないと感じる。
いや、もっと言うとXiaomiのエントリークラススマホであるXiaomi Redmi Note 9Sにも性能で負けている。
どうしたんだXiaomi。価格に似合わぬ性能で世界中で無双しているコスパはどこにいった。
やはりXiaomiであっても、技適を取得しようとするとコストがかかって値段を上げざるを得ないのか。
カメラは無駄に高画素にしすぎ
まあ性能の話は脇に置いておくとしよう。このスマホの最大のウリは性能ではない。1億画素を超える超高精細なカメラにあるだろう。
なんとも途方もない数値だ。こんな高精細なカメラはデジカメであっても滅多にない。
最近で言うとGalaxy S20 Ultraも同等の画素数のカメラを搭載しているが、あっちは10万円を超える超高級スマホだ。Xiaomi Mi Note 10は5万円台で同等なのだから恐れ入る。
だが、ハッキリ言ってこの画素数にはほとんど意味がない。なぜかというと、基本的にスマホのカメラは高画素にするほど画質が落ちるからだ。
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画質を落とさずに高画素にするためには、光を多く取り込める大型のセンサーを搭載する必要がある。しかし、スマホは本体の大きさに制限があるため、デジカメのように大型のセンサーは搭載できない。スマホで綺麗に撮れる画素数には限界があるのだ。
スマホのサイズで1億画素のカメラを搭載しても、拡大すると確実にディテールが潰れている。にもかかわらず情報だけは無駄に多いので、写真一枚がめちゃくちゃ容量を食う。デメリットしかない。
ただし、このスマホには1億800万画素のモードとは別に、4画素のデータを統合して1画素にする2700万画素のモードがある。
この程度の画素数なら、Xiaomi Mi Note 10の実力を十分に発揮できるはずだ。1億800万画素あることなど忘れて、こっちのモードを使った方がいい。その方が保存容量も節約できる。
このスマホにはカメラが外側に5つもついているが、こっちは画素数とは違って多くても無駄にはならない。高機能なカメラとして使用できるだろう。
それでも58000円もするなら別のスマホを買う
結論を言うと、Xiaomi Mi Note 10は性能に対してそれほどコスパの高くないスマホだ。
Xiaomiの他のスマホと違って技適を取得しているのが明確な良い点だが、価格が他社と変わらなくなってしまうのならわざわざ選ぶ理由がない。
そこそこ高性能なカメラが魅力ではあるが、正直言って58000円もするのなら、もう少しお金を出して高性能なスマホを買った方がいいのではないかと思う。
7万円出せばiPhone 11が買えてしまうし、性能もカメラもiPhone 11の方が上だ。
また、技適を取得してなくてもいいなら、Oneplus 7TがXiaomi Mi Note 10とほぼ同じ価格で、性能はiPhone 11と同等となる。
そう考えると、Xiaomi Mi Note 10はやはりあまり魅力的ではないなぁ……と思ってしまう。色々と惜しいと感じるスマホだった。