あなたはXiaomiというスマホメーカーをご存じだろうか。日本ではほとんどスマホを出していないので、知らない方も多いだろう。
去年、このXiaomiのMi Note 10というスマホが業界を騒がせた。外側に4つのカメラを持ち、メインカメラの解像度はなんと1億800万画素にして、値段は約5万円という驚異の端末だった。
だが、当ブログではこのスマホを紹介していない。なぜかというと、このカメラの数値はほとんどハリボテで、読者に積極的にお勧めできなかったからだ。
そこへきて今回のMi Note 10 Liteの紹介となる。前述のスマホの廉価版となるわけだが、なぜ今回は紹介することにしたのか。それは、カメラがスペックダウンすることによって、むしろバランスが良くなったと感じたからだ。
おまけに今回は、日本の技適を取得している。Xiaomiのスマホは日本では展開が進んでいないため、基本的に技適を取得しておらず、おすすめしづらかった。今回わざわざ技適を取得したということは、Xiaomiが本格的に日本進出を始める予兆かもしれない。
なんにせよ、カメラのバランスが良くなり、技適も取得し、なおかつ値段も安くなったMi Note 10 Liteは非常におすすめできる。日本で発売されたら、ぜひ購入を検討してほしいスマホだ。
スペックと評価
※2020年度のスマホの評価基準をもとに作成
項目 | 詳細 | 評価 |
発売日 | 2020年5月(海外) | - |
値段(コスパ) | 約35000~40000円 | ★★★☆☆ 値段の割にかなり高性能 |
SoC(処理性能) | Snapdragon 730G antutu 25万点 | ★★☆☆☆ AQUOS sense3の2倍以上のベンチマークスコア |
メモリ | 6GB・8GB | ★★★☆☆ 6GBだとして、標準的な容量 |
バッテリー(電池) | 5260mAh 30W急速充電 | ★★★★★ 大大容量。一日充電いらず。 |
写真などの保存容量 | 64GB・128GB | ★★☆☆☆ 64GBだとして、そこそこの容量 |
画面の綺麗さ | 2340*1080 有機EL | ★★★★☆ 標準的な解像度に、発色の良い有機ELパネル |
携帯性 | 74.2*157.8*9.7mm 204g | ★★☆☆☆ 少々大きくて重め。iPhone 11並み。 |
防塵防水 | なし | ☆☆☆☆☆ 残念 |
カメラ(画素数) | 広角:6400万 超広角:800万 マクロ:200万 深度:500万 内:1600万 | ★★★☆☆ Mi Note 10 Proより解像度が減ったが、そのおかげでむしろバランスが良くなったように感じる |
オプション | ・顔認証 ・画面内指紋認証 ・充電アダプタ ・USB-Cケーブル ・保護ケース | ★★★★☆ 同梱品も充実。なにより技適に対応したのがでかい。 |
★合計 | 50点満点中 | 28点 |
AQUOS sense3の2倍以上の性能
昨今、Xiaomi Mi Note 10 Liteと同価格帯で最も売れたスマホといえば、AQUOS sense3である。シャープのスマホというブランド、防塵防水とおサイフケータイを備えたこのスマホは、日本人が求めていたスマホ像にピタリとあてはまったようだ。
この最も売れたスマホに対し、Xiaomi Mi Note 10 Liteは、ベンチマークソフトのスコアで倍以上の高得点をたたき出してる。
ハッキリ言ってAQUOS sense3は低性能で、使い方によってはモッサリすることもあるはずだ。だが、Xiaomi Mi Note 10 Liteの性能ならば、まず処理が遅くなることはない。PUBGといった3Dゲームもサクサク遊べるだろう(さすがにグラフィックを最高設定にはできないだろうが)。
ちなみに、廉価版ではあるが、処理性能は上位モデルのXiami Mi Note 10と同じである。
カメラの画素数が落ちたが、むしろそれがいい
さて、性能が変わらないのなら、このスマホはどこでコストダウンしているのか。
それはなんといっても、Xiaomi Mi Note 10の最も大きな特徴である1億800万画素のカメラである。
Liteの方はメインカメラが6400万画素と、大幅に画素数がけずられている。
このダウングレードが、私がむしろこのスマホをお勧めしたい理由だ。実は、スマホにおいては、高精細な画素数はほとんどメリットがない。いや、それどころか画質が悪化する可能性すらある。詳しく知りたい方は、下記の記事を読んでほしい。
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Xiaomi Mi 10 Noteのカメラも、期待値ほどには綺麗に写真が撮れない。ハッキリ言って、スマホに1億画素はオーバースペックすぎるのである。それに対して、Xiaomi Mi Note 10 Liteはどうか。
画素数が減ることで、スマホにとって適度な写真サイズへと変わっている(まあ、6400万画素もかなり過剰だと思うが……)。
写真サイズの変更は、データの扱いにおいてもメリットをもたらしている。1億画素もあるとデータサイズが大きくなりすぎて、PCに移動したり、クラウドにアップロードするのに時間がかかりすぎるのだ。
全く、画素数ばかり増やしても何も良いことがない。Xiaomi Mi Note 10 Liteは一見スペックダウンしているようにみえるが、むしろスマホとしての完成度を上げる結果となっていると私は感じた。
技適に対応しているので、大っぴらにおすすめできる
これまでのXiaomiのスマホは、コスパはめちゃくちゃ高いのだが、ほとんどが技適を取得していないのでおすすめしづらかった。
日本では技適を取得していないスマホを無許可で使用すると、電波法に違反する可能性がある。使用は自己責任で、と念押しする必要があった。
それがなんと、今回のXiaomi Mi Note 10 Liteは技適にしっかり対応しているのだ。おすすめする側にとって、こんなにありがたいことはない。このスマホは日本で大っぴらに使っていいのだ。
しかも、Xiaomi Mi Note 10 Liteは、Xiaomi製のスマホのもう一つの弱点も解消している。それは、バンド対応の貧弱さだ。
実は、スマホが受信している電波は、国によって周波数(バンド)が異なっている。もちろん、日本のキャリアが使用しているバンドも、各国とは微妙に違う(かぶっているところもある)。
そのため、日本に本格的に進出していないXiaomiのスマホは、バンド対応に弱い部分があった。SoftBankの回線には対応しているが、docomoとauには対応していない、といった具合だ。
Xiaomi Mi Note 10 Liteは、対応バンドを見る限り、どのキャリアでも使用できる仕様となっている。自分の使っている回線に対応していないので買っても使えない、ということがないのは非常にありがたい。
技適に対応したのは、日本で発売するため?
今回、Xiaomi Mi Note 10 Liteが技適に対応したのは、我々日本在住の人間にとっては嬉しいことだ。
だが、このスマホが技適を取得したのはなぜなのだろうか。技適は試験を通る必要があるため、それなりにコストと時間をかける必要がある。何のメリットもなしにやることではない。
ズバリ、Xiaomiはこのスマホを日本で発売するのではないだろうか? そしてもしかすると、これはXiaomiが日本に本格的に参入してくる予兆なのではないだろうか?
今年はXiaomiのライバルであるOPPOも、キャリアでのスマホの発売が決定している。Xiaomiもその波に続くつもりなのかもしれない。
当ブログでも何度か言及しているが、Xiaomiのスマホはコストパフォーマンスが抜群に良い。そのスマホが日本で安全に手に入るとなれば、消費者にとってこれほどありがたい話はない。
Xiaomiの今後の発表に注視していきたいところだ。もし何か動きがあれば、当ブログでも取り上げさせていただく。
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