この端末のことを知っている人はあまり多くないかもしれない。だが、知る人ぞ知る高コスパ端末。それが今回紹介するUMIDIGI F2……だった(過去形)。
匿名掲示板などで「安くて良い端末ない?」と聞くと、決まって「UMIDIGIは良いぞ」という人がいるが、その度に私は止めている。
昔は性能の割に値段の安い端末だった。だが、今はライバルが強くなりすぎてUMIDIGIのスマホは全くコスパが高くない。端末その物の完成度も低く、全くお勧めできないスマホだ。
スペックと評価
項目 | 詳細 | 評価 |
発売日 | 2019/10/14 | - |
値段(コスパ) | 約27000円 | ★★☆☆☆ ライバルが強すぎて大したコスパじゃない |
CPU(処理性能) | Mediatek Helio P70 | ★★☆☆☆ 元々大した性能じゃない上に、外れを引く可能性がある |
メモリ | 6GB | ★★★★☆ そこそこの容量 |
バッテリー(電池) | 5150mAh | ★★★☆☆ 大容量。なのだが、消費電力が多くて数値ほど長持ちしない。 |
写真などの保存容量 | 128GB | ★★★★☆ そこそこの容量 |
画面の綺麗さ | IPS液晶 | ★★★☆☆ 発色は有機ELに劣る |
解像度 | 2340*1080 | ★★★☆☆ 普通 |
防塵防水 | ない | ☆☆☆☆☆ 残念 |
カメラ(画素数) | 外:4800万 広角:1300万 マクロ:500万 深度:500万 内:3200万 | ★★★☆☆ 画質は普通。だが、手振れ補正がダメ。撮りづらい |
オプション | ・顔認証 ・指紋認証 ・充電アダプタ ・ケース ・保護フィルム | ★★★★☆ オプションはそれなりにある。だが認証精度が微妙 |
★合計 | 50点満点中 | 28点 |
大した処理性能じゃない上に、ハズレを引く可能性がある
まず処理性能が大したことない。スマホの性能を測るベンチマークソフトを使うと、この端末のスコアは14万点ほど。同価格帯の他のスマホはどうかというと、29800円のTCL Plexは21万点もある。全く相手になっていない。
しかもダメ押しに、この端末に使われているCPU(SoC)のHelioシリーズは、品質に個体差があると言われている。実際、antutu(ベンチマークソフト)のスコアは10~14万と、個体によってかなり差があるようだ。つまり14万点あれば良い方で、ハズレを引くと10万点台の可能性もある。
約27000円も出してハズレを引いた時の気持ちを考えると、私は手を出そうとは思わない。
大容量のバッテリーだが、消費電力も大
この端末のバッテリーは5150mAhもある。一見大容量だ。
だが、この端末のバッテリーは思ったほど長持ちしない。何故かというと、消費電力が多いからである。
下記の動画でカステラ王子さんというYoutuberの方が面白い検証しているのだが、比較対象のスマホと比べてUMIDIGI F2はバッテリー容量が多い。にもかかわらず、最終的なバッテリーの残量(%)には違いがほとんど見られなかった。本当に長持ちするのなら、UMIDIGI F2の方が多くパーセンテージが残っていないとおかしい。つまり、UMIDIGI F2は他の端末と比べて消費電力が多いのである。
いくらバッテリー容量が多くとも、消費電力も多いのでは意味がない。結局同価格帯のOppo Reno A(3600mAh)やTCL Plex(3820mAh)とバッテリー持ちは変わらないのである。これではバッテリー容量でこの端末を選ぶことは出来ない。
カメラは手振れ補正が微妙
UMIDIGI F2はカメラが外側に4つもついており、メインカメラの画素数も4800万画素と高精細だ。
だが、このブログでは繰り返し解説しているが、画素数は画質の良さに直結しない。つまり4800万画素あるからといって、1200万画素の端末より4倍綺麗に撮れるわけではない。むしろ画素数が多い方が画質が落ちる可能性が高い。
このスマホの写真の画質はそこそこ綺麗といった所だ。だが、問題は画質ではなく、手振れ補正にある。
このスマホは、写真を撮ろうとした時も、動画を撮ろうとした時も、全く手振れ補正が効かない。写真はビタッと固定して撮らないとブレるし、動画はそのまま映画館で上映したら吐き気を催す人が続出するであろうくらい揺れる。使い辛いというほかない。
ライバルが強すぎる
ダメ押しなのが、UMIDIGI F2のライバルとなる2~3万円台には、滅茶苦茶コスパの高い端末がウヨウヨいるということだ。
3万円台ながらありとあらゆるオプションを備えたOppo Reno A、2万円台で最高の処理性能を誇るTCL Plex、安心感のあるAQUOS Sense3。
ハッキリ言って今更コスパでUMIDIGI F2を選ぶ理由が無いのである。もっとマシな選択肢がいくらでもある。
そう言うと今度は「でもUMIDIGIと違って、他の端末はバンド19(docomoのプラチナバンド)に対応してないし……」という方がいるが、そんなものは今のスマホは当然対応している。Oppo Reno Aも、TCL Plexもバンド19に対応しており、docomoで問題なく使える。
UMIDIGIのスマホのカタログしか見ない人は、他の会社のカタログも一度目を通してほしい。時代はとっくに変わっているのだ。
同価格帯のお勧め端末
という訳で、今あえてUMIDIGI F2を選ぶ理由はない。同価格帯のお勧め端末を紹介しよう。
まず第一候補が、Oppo Reno Aだ。UMIDIGI F2よりも少々高くなるが、この端末は性能・オプションの豊富さ・端末の完成度とあらゆる点でUMIDIGI F2より優れている。スマホは最もよく使う日用品だ。多少値が張っても、良い物を買うことをお勧めする。ちなみに、楽天モバイルだと値段がほとんど変わらずに保存容量が倍の128GBになるので、お得だ。
第二候補が、TCL Plexだ。この端末なら値段でUMIDIGI F2に引けを取ることもない。性能に関しても、UMIDIGI F2より遥かに上である。
※2020年3月9日現在、ネットではどこも売り切れのようである……
第三候補が、AQUOS Sense3だ。UMIDIGIのスマホはカメラや認証に不具合があるといったことが頻発する。コスパで上記2つのスマホには劣るが、安定感ならAQUOS Sense3も負けていない。2020年3月現在、最も人気のスマホだ。
以上がおすすめのスマホだ。カタログスペックだけ見ると、UMIDIGI F2は上記のスマホに負けていない。だが、実際の性能は上記のスマホに及ばない。見た目だけの数値に惑わされないことだ。