2019年はスマホ業界に革命が起こった。それまでは10万円以上はしていたようなハイスペックスマホを、中国のXiaomiが4万円台で発売してしまったのだ。
それを皮切りに、最高の性能を持ちながら低価格という、超コスパ端末が続々とリリースされた。今回紹介する「Realme X2 Pro」もそんなスマホの一台だ。
しかもこの端末は冒頭で紹介したXiaomiの端末よりも高性能だ。いや、性能で言えば最新の5Gスマホにも劣っていない。それなのに価格は5万円台である。
日本では5Gの設備が整うまでかなりの時間が掛かる。しばらくはまともに使えない5G対応端末を買うよりも、同等性能で半額のRealme X2 Proを買った方が賢いと言えるだろう。
スペックと評価
※2020年度のスマホの評価基準をもとに作成
項目 | 詳細 | 評価 |
発売日 | 2019年10月 | - |
値段(コスパ) | 約57000円 | ★★★★★ 圧倒的なコスパ。日本では逆立ちしても作れない |
SoC(処理性能) | Snapdragon 855+ antutu 50万点 | ★★★★★ ハイエンド中のハイエンド。iPhone11と同等 |
メモリ | 8GB | ★★★★☆ 大容量。最新の5Gスマホにも負けていない |
バッテリー(電池) | 4000mAh 50W高速充電 ワイヤレス充電なし | ★★★★☆ 最新の5Gスマホ並み |
写真などの保存容量 | ・128GB ・SDカードスロット無し | ★★★☆☆ SDカードによる増設はできないが、十分な容量 |
画面の綺麗さ | ・有機EL ・90Hz ・2400*1080 | ★★★★☆ 最新の5Gスマホにも見劣りしない |
携帯性 | ・75.7*161.0*8.7 ・199g | ★★☆☆☆ でかくて重い。iPhone11並み |
防塵防水 | なし | ☆☆☆☆☆ 残念 |
カメラ(画素数) | 標準:6000万 広角:800万 望遠:1300万 ポートレート:200万 内:1600万 | ★★★★☆ 高機能かつ高画素。 |
オプション | ・画面内指紋認証 ・顔認証 ・NFC ・ケース ・画面保護フィルム ・充電アダプタ ・USB-Cケーブル | ★★★☆☆ おサイフケータイはないが、同梱品は非常に充実してる。必要な物はすべてそろっている。 |
★合計 | 50点満点中 | 34点 |
最新の5G端末に迫る性能
この端末には2019年最高のSoCであるSnapdragon 855+が搭載されている。その性能は、業界トップを走るiPhone11と同等だ。
SoC:スマホの処理性能を決める部品。CPUやGPUを一つのチップに纏めて搭載している。System on a Chipの略。
スマホの性能を測るベンチマークソフトのスコアは約50万点である。iPhone11とほぼ同じスコアだ。
そしてこの数値は、最新の5G対応端末に迫るものとなっている。5G対応端末はSnapdragon 855+よりもさらに上位のSnapdragon 865を搭載しているが、そのスコアは約56万点。
実は最新の端末はそれほどスペックアップしていない。5G対応のおまけで少し性能が上がった程度だ。使用感を比べたところで、ほとんど違いを感じることは無いだろう。
値段は5G端末の半額以下
5G対応端末は高い。Galaxy S20は約11万円、AQUOS R5Gは約12万円する。
しかし、前述した通り性能はそれほど変わっていない。あくまで5G対応のためにコストがかかっているのだ。
だが、5Gは設備が整わないとまともに使うことは出来ない。現在はほんのわずかの地域で使えるにとどまる。日本では最も設備が揃っている東京でも、ごく一部の場所でしか使えないのだ。
そしてこの状況はしばらく続く。docomoとauは5年以内で日本の9割をカバーする計画となっている。つまり、数年間は5G対応端末はコスパの悪い4G端末としてしか使えないことになる。
それに対して、Realme X2 Proはどうか。性能は5G対応端末とほとんど変わらないながら、値段は約半分の5万7千円。圧倒的にコスパがいいのだ。
性能以外も妥協していない
性能が良くて値段が安いと、その他の項目で手を抜いているのではないかと思った方もいるだろう。
そんなことは全くない。ほとんどの項目で最新の5G対応端末と同等以上となる。
メモリは8ギガと大容量。バッテリーは4000mAhとXperia 1 II並みにあり、50Wの急速充電にも対応している。
画面は有機ELの美しいパネルとなり、リフレッシュレートも90Hzと最近のスマホと同等だ。
リフレッシュレート:一秒間に画面を書き換える回数。通常は60Hzとなっており、その場合は一秒間に60回画面を書き換えることになる。数値が大きいほど滑らかな画面表示が可能になる。
カメラも標準・広角・望遠・ポートレートと4つもレンズがついており、非常に多機能となっている。
決して怪しいスマホではない
Realmeは日本では無名のブランドだ。
だが、世界的なシェアとなると話は別である。前述した通り圧倒的な性能とコスパにより、飛ぶ鳥を落とす勢いでシェアを拡大している。
その出荷台数はなんと、設立から1年で1千万台を超えている。世界のモバイルベンダー世界シェアでは、Xperiaを抜いてしまった。
参考:statcounterの世界のモバイルベンダー世界シェア
そして実はこのブランド、スマホ世界出荷台数3位のOPPOのサブブランドである。OPPOは日本においても三大キャリアであるSoftBankとauが採用しており、日本でも存在感を増しつつある。
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いずれ日本にもRealmeが上陸すれば、圧倒的なコスパで日本のスマホを蹴散らしてしまうだろう。
技適マークを取得していないことに注意
素晴らしいスマホだが、日本での使用には少し注意がある。
それは、技適マークを取得していないことだ。このスマホを許可を得ないで使うと、電波法違反になる場合がある。
「電波法違反になる場合がある」と書かれているだけで、実際に罪に問われるかは分からない。今のところ技適マークを取得していないスマホを使ったからといって、捕まった例は聞いたことが無い。
だが、確実なことは言えないので、使う場合は自分でよく確認したうえで、自己責任で使うことだ。
今が最もお買い得な端末
Oneplus 7Tのレビューでも書いたが、このスマホを買うなら今がベストのタイミングだと考えている。
なぜかというと、5G対応端末がしばらく5Gをまともに使えないため、単にコスパの悪い4G端末となってしまうからだ。
そして冒頭でも述べたが、この状況はしばらく続く。それならば、現在最もコスパの良いRealme X2 Proを今手に入れ、5Gの設備が整ってきたところで5G対応端末に乗り換えるのが圧倒的に賢い。そのころには5G対応端末の値段も落ち着いているだろう。
この端末は日本に進出していないため、家電量販店で買うことは出来ない。だが、AmazonなどのWebサイトでは普通に手に入れることが出来る。
海外版ではあるが、日本語が使えないということは無い。設定時の言語選択で日本語も使えるようになる。
コスパが高く人気もある機種なので、在庫は切れがちだ。手に入れたいのなら、あまり迷わない方がいいだろう。