スマホの世界は広い。日本ではXperia 10 IIやmoto g8 plusなどのミドルクラスが人気を得ているが、世界にはそれらを遥かに超えるコスパの端末がうじゃうじゃいる。
漫画のワンピースで言うなら、イーストブルーでイキっていたらグランドラインでは全く通用しなかった海賊のようなものだ。
今回紹介するRealme 6 Proも、そんなグランドラインに生息する強豪の一人だ。
最近日本でも発売されたRedmi Note 9Sと同等の性能を持ち、コスパも同等レベルで高い。私としても大いにお勧めしたいところだが……
正直言うと、私はこの端末をあまりお勧めしない。性能とコスパは同等でも、技適やバンド対応といった地味だが重要な要素が弱いからだ。
そして、それらを許容してこの端末を買う気概があるなら、もっと良い選択肢があると私は思う。思い切ってハイエンドのRealme X2 Pro、いや今ならVivo iQOO Neo3 5Gを買った方が良い。
スペックと評価
※2020年度のスマホの評価基準をもとに作成
項目 | 詳細 | 評価 |
発売日 | 2020年3月 | - |
値段(コスパ) | 36990円 (Amazon メモリ8GB、ストレージ128GBモデル) | ★★★☆☆ 性能と値段のバランスは良いが、技適やバンド対応まで含めるとそこまで魅力的ではない |
SoC(処理性能) | Snapdragon 720G antutu 28万点 | ★★☆☆☆ Redmi Note 9Sと同等 |
メモリ | 8GB | ★★★★☆ 大容量 |
バッテリー(電池) | 4300mAh 30W急速充電 | ★★★★☆ 大容量。Redmi Note 9Sには少し劣る |
写真などの保存容量 | 128GB microSD対応 | ★★★☆☆ 標準的な容量 |
画面の綺麗さ | ・IPS液晶 ・2408*1080 ・90Hz | ★★★★☆ パネル、解像度ともに普通だが、リフレッシュレートがそこそこ高い |
携帯性 | ・75.8*163.8*8.9mm ・195g | ★★☆☆☆ そこそこでかくて重い。 |
防塵防水 | 防滴 | ★☆☆☆☆ IP規格はなし |
カメラ(画素数) | メイン:6400万 超広角:800万 望遠:1200万 マクロ:200万 内:1600万 内2:800万 | ★★★☆☆ フロントとリアでなんと6眼構成。内側の2つ目のカメラは超広角となっている。メインカメラは通常時は6400万画素だが、周囲が暗くなると4画素を1画素に統合し、明るく映るように調整するようになっている |
オプション | ・DSDS ・側面指紋認証 ・TPUケース ・充電アダプタ(海外仕様) ・USB-Cケーブル | ★★★☆☆ 充電アダプタは海外仕様なので、日本では使えない |
★合計 | 50点満点中 | 29点 |
ミドルレンジでトップクラスの処理性能
まずは基本となる処理性能を解説しよう。
スマホの処理性能を大まかにランク分けすると、下記の3つになる。
- エントリークラス(最も性能が低い)
- ミドルレンジクラス(中間の性能)
- ハイエンドクラス(最高の性能)
Realme 6 Proは真ん中のミドルレンジクラスとなる。ハイエンドよりもかなり安い価格で、性能も日常的な操作であれば全く問題なくこなせるランクだ。
そして、Realme 6 Proはこのランクではトップクラスの性能を持っている。
同価格帯のライバルとして有名どころを挙げると、Xperia 10 IIやmoto g8 plusがあるが、それらとはかなり性能に差があると思っていい。AQUOS sense3は全く相手にならない。
ミドルクラスでいい勝負となるのはXiaomiのRedmi Note 9Sくらいのものだ。これより性能が上の端末となると、Huawei nova 5Tなどが思いつくが、あれは値段が5万円以上する。コスパではRealme 6 Proに分があると言っていい。
これだけの性能があると、普段使いでストレスを感じるような場面は全くない。PUBGといった3Dゲームもかなりサクサク動くだろう。
出来ないことと言ったら、スマホの性能を限界まで引き出すようなゲームだけだ。
驚愕の6眼構成のカメラ
最近のスマホはカメラが3つも4つもついているものが多いが、この端末は内と外合わせて6つもカメラがついている。
設計者がやけくそになったかのようなカメラの数だ。「AIだ画像処理だなんて小賢しい。俺らは物量で勝負する」と言わんばかりだ。
さすが世界最高の人口を誇るグレートチャイナ。潔くわかりやすいコンセプトに惚れ惚れする。このままどんどんカメラを増やしていってみてほしい。タピオカドリンクのようになったスマホを目にしてみたい。
メインカメラには高画素を活かした特徴的な機能があり、暗い場所になると4画素を1画素に統合して明るく映すことができるようになっている。
つまり6400万画素が1600万画素になってしまうが、その分夜景も明るく撮れますよ、というワケだ。
内側のカメラは広角、超広角となっており、自撮りであっても広い画角で撮影ができるようになっている。
まあ格安スマホなので、画質に過度な期待はできないが、機能的には中々充実していると言える。
技適とバンド対応が貧弱
さて、性能とコスパはなかなかいい。だが、冒頭も述べたように、このスマホには大きな弱点がある。
その一つが、技適を取得していない点だ。日本では技適を取得していないスマホを使うと、電波法に違反してしまう可能性がある。そのため、使用は自己責任で、という前置きをしておく必要がある。
そのくらいのリスクは許容するぜ! という豪胆な方であっても、次の弱点は厳しいかもしれない。
このスマホは対応しているバンドが少なく、日本においては電波が繋がりにくい状態が発生する可能性がある。
具体的に対応バンドを言うと、1、3、5、8、38、40、41となる。docomoもauもプラチナバンドに対応していない。
楽天はバンド3のみなのでフル対応と言えるかもしれないが、パートナーエリアではau回線(バンド18)に切り替わるので、全く使えなくなってしまう。
つまり、技適未取得を許容しても、日本で使うのは少し厳しい。
どうせ技適を取得していないスマホを買うなら、もっと良い端末がある
さて、性能的にコスパの高いRealme 6 Proだが、技適やバンド対応を加味すると総合的には微妙な評価となる。
だが、あえて技適を取得していないことを承知の上で買うなら、私はもっと良い選択肢があると思う。
グランドラインに生息しているのはRealme 6 Proだけではない。王下七武海、いや4皇ともいえる端末がいるのだ。
まずRealmeブランドのハイエンド端末であるRealme X2 Pro。発売はRealme 6 Proより前だが、性能はRealme 6 Proよりはるかに高い端末である。値段も5万円台と少し高くなるが、どうせリスクを負うならこれくらい良い物を買うべきではないだろうか。
いや、Realme X2 Proももう古い。最高の性能で、5Gに対応し、値段も同等レベルのVivo iQOO Neo3 5G。これこそグランドラインに踏み込んだ猛者が買うべきスマホではないだろうか。
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ぜひ挑戦してほしいところだが、残念ながらまだAmazonでは取り扱っていなかった。手に入れるためにはAliExpressといったさらに危険な航路を進む必要がある。
だが財宝を手に入れるためには、あえて踏み出さねばならぬ時があるのだ。海賊王もこう言っている。
「おれの財宝か? 欲しけりゃくれてやる。探せ!この世のすべてをそこに置いてきた!」
ならば行くしかあるまい。海賊王に、俺はなる!!
違うか。