2020年6月2日の今日、中国のスマホメーカーであるXiaomiがある発表を行った。
去年、圧倒的なコスパで世界を騒がせた2機種を日本で発売するというのだ。
発売するのは、最近当ブログでも取りあげたMi Note 10 LiteとRedmi Note 9Sだ。
私はかねてよりXiaomiが日本でも大々的にスマホを展開するのではないかと述べてきたが、とうとうその時がきたようだ。
発表内容も期待を裏切らないものだった。Mi Note 10 LiteとRedmi Note 9Sの価格設定は、日本においてもインパクトのあるものだ。
今後、2~3万円台でコスパの良いスマホを求めるとなると、これらの2機種を第一候補にするといいだろう。
ミドルクラスのMi Note 10 Lite
まずは最初に発表されたMi Note 10 Liteから見ていこう。
発表された仕様を当ブログの評価指標に照らし合わせると、下記のようになる。
項目 | 詳細 | 評価 |
発売日 | 2020/6/9 | - |
値段(コスパ) | 39800円 | ★★★☆☆ 値段はストレージ64GBモデルの物。値段の割にかなり高性能 |
SoC(処理性能) | Snapdragon 730G antutu 25万点 | ★★☆☆☆ AQUOS sense3の2倍以上のベンチマークスコア |
メモリ | 6GB | ★★★☆☆ 6GBだとして、標準的な容量 |
バッテリー(電池) | 5260mAh 30W急速充電 | ★★★★★ 大大容量。一日充電いらず。 |
写真などの保存容量 | 64GB・128GB | ★★☆☆☆ 64GBだとして、そこそこの容量 |
画面の綺麗さ | 2340*1080 有機EL | ★★★★☆ 標準的な解像度に、発色の良い有機ELパネル |
携帯性 | 74.2*157.8*9.7mm 204g | ★★☆☆☆ 少々大きくて重め。iPhone 11並み。 |
防塵防水 | なし | ☆☆☆☆☆ 残念 |
カメラ(画素数) | 広角:6400万 超広角:800万 マクロ:200万 深度:500万 内:1600万 | ★★★☆☆ Mi Note 10 Proより解像度が減ったが、そのおかげでむしろバランスが良くなったように感じる |
オプション | ・顔認証 ・画面内指紋認証 ・充電アダプタ ・USB-Cケーブル ・保護ケース ・NFC | ★★★★☆ 同梱品も充実。なにより技適に対応したのがでかい。 |
★合計 | 50点満点中 | 28点 |
海外発表時とほとんど変わらない価格設定
海外のスマホを日本に持ってくると、多くの場合は値段が高くなる。
それはなぜかというと、技適試験を受けたり、日本独自のバンド帯(周波数)に対応するといったコストがかかるためだ。
Xiaomiのスマホも、日本で発売した端末は基本的に海外より高くなっていた。
だが、今回の機種は別だ。海外発表時とほとんど値段が変わっていない。
Mi Note 10 Liteの価格は39800円。端末割引が制限され、ハイエンドスマホがどんどん高くなっていく中、この価格は最も消費者に訴求する設定だ。
AQUOS sense3の倍以上の性能
Xiaomiのスマホのすごいところは、価格に対して性能がやたら高いところだ。
昨今、日本で最も売れたスマホといえばシャープのAQUOS sense3だが、Mi Note 10 Liteはこの端末の倍以上の性能を持っている。
だというのに、価格はAQUOS sense3と同じ3万円台だ。コスパに差があり過ぎる。
もちろん、ハイエンドモデルに勝てるほどの性能ではないが、それでも普段使いには十分すぎるほどの能力である。
ゲームに関しても、よっぽど処理の重いものでない限り、サクサク動作するだろう。
カメラの画素数が落ちたが、むしろそれがいい
Mi Note 10 Liteは、海外で発売されたMi Note 10の廉価版となる。
その際にコストダウンされたのがカメラになるのだが、そのおかげでむしろバランスが良くなっている。
上位機種はなんと1億800万画素もあるのだが、ハッキリ言ってこれはオーバースペックだ。
スマホでいくら画素数を増やしても、内部のセンサーサイズに限界があるので、引き伸ばしたような出来の悪い写真になってしまう。おまけに写真サイズがバカでかくなってしまい、SNSに上げるのも一苦労するだろう。
Mi Note 10 Liteは画素数が6400万まで落ちることで、この問題がある程度解決する。
発表時には内部のセンサーも公開されていた。ソニーのIMX686という部品を使っているとのことだ。センサーサイズは1/1.72とかなり大型なので、画質にも期待できる。
ライバルと比べてどうなのか?
ここまでスペックを解説してきたが、読者のあなたが気になるのは、ライバルと比べてどうなのか? ということではないだろうか。
Xiaomiもそこはしっかりと意識しており、発表時に同価格帯のスマホと比較していた。
比較に使われたのは、Google Pixel 3a XLとiPhone SEである。Xiaomiはこれらのスマホと比べて、優れていると評していたが、本当にそうなのだろうか。私が見解を述べよう。
※Xaiomiの発表時の表を参考に作成
Mi Note 10 Lite | Google Pixel 3a XL | iPhone SE | |
画面 | 6.4インチ 3D曲面 有機EL | 6.0インチ 液晶 | 4.7インチ 液晶 |
カメラ | 6400万画素 4眼構成 | 1200万画素 1眼構成 | 1200万画素 1眼構成 |
SoC | Snapdragon 730G | Snapdragon 670 | A13 Bionic |
背面素材 | 3D曲面ガラス | プラスチック | ガラス |
バッテリー | 5260mAh 30W | 3700mAh 18W | 1821mAh 5W |
メモリ | 6ギガ | 4ギガ | 3ギガ |
ストレージ | 64ギガ | 64ギガ | 64ギガ |
価格 | 39800円 | 61160円 | 44800円 |
まずGoogle Pixel 3aとの比較だが、Xiaomiの言う通り、ほぼ全てのスペックにおいてMi Note 10 Liteが上回っている。
性能、バッテリー、保存容量……あらゆる点でMi Note 10 Liteの方が上だ。Google Pixel 3a XLが上回っているのは、上記の表で取り上げていない、本体の重さくらいではないか?
というか、ハッキリ言ってGoogle Pixel 3a XLは比較相手として弱すぎる。もうちょいまともな相手を持ってきた方がいい。
次にiPhone SEとの比較だ。こいつはPixelとは違って、かなり手ごわい相手だ。勝てたら結構すごい。
私の見解はというと、画面、カメラ、バッテリーに関してはMi Note 10 Liteの方が上だと考えている。
画面は有機ELで高精細なMi Note 10 Liteの方が綺麗だ。カメラに関しては、画素数はともかく、4眼構成なのは大きい。バッテリーは数値を見れば差は明らかだろう。
しかし、処理性能に関してはiPhone SEに軍配が上がる。iPhone SEは価格はミドルクラスだが、性能はハイエンド並みに高い。
とはいえ、だ。私は前々から画面が小さいiPhone SEは、この性能を活かしきれていないと考えている。
スマホにおいて最も性能を必要とするのはゲームだが、画面が小さいとプレイ感が大きく損なわれるからだ。
また、本体サイズが小さいことでバッテリー容量も少なくなり、高性能を長時間維持するのも難しくなる。
つまり、iPhone SEで性能を誇っても、大して意味のあることではない。
結論を言うと、おおむねXiaomiが述べたとおりだ。ライバル機種と比べて、Mi Note 10 Liteはかなりの部分で優れている。
すでにAmazonで予約が開始されている
発表直後、さっそくAmazonで予約が開始されていた。
実際の発売は6月9日になるようだ。
ただし、Amazonには正規代理店ではない並行輸入品が多数存在していることに注意してほしい。それらはバンド対応などが日本向けの物とは違う可能性がある。
下記のリンクから飛べば、正規代理店の商品に行ける。ぜひ覗いてみてほしい。
エントリークラスのRedmi Note 9S
次はRedmi Note 9Sだ。
発表された仕様を当ブログの評価指標に照らし合わせると、下記のようになる。
項目 | 詳細 | 評価 |
発売日 | 2020/6/9 | - |
値段(コスパ) | 24800円・29800円 | ★★★★★ メモリ4ギガ、ストレージ64ギガで24800円。上位モデルは29800円。上位モデルのほうがお勧め |
SoC(処理性能) | Snapdragon 720G antutu 28万点 | ★★☆☆☆ 安いのにMi Note 10 Liteより性能が高い |
メモリ | 4GB・6GB | ★★☆☆☆ 4ギガだとして、星2つ。6ギガなら星3つ |
バッテリー(電池) | 5020mAh 18W高速充電 ワイヤレス充電なし | ★★★★★ 大大容量。ゲームをしても一日余裕で持つだろう |
写真などの保存容量 | 64・128GB MicroSD対応 | ★★☆☆☆ 64ギガだとして、星2つ。128ギガなら星3つ |
画面の綺麗さ | ・液晶 ・60Hz ・2400*1080 | ★★★☆☆ 解像度、リフレッシュレート共に普通。 |
携帯性 | ・76.68*165.75*8.8mm ・209g | ★★☆☆☆ でかくて重い。 |
防塵防水 | 防滴 | ★☆☆☆☆ IP規格の取得は無し |
カメラ(画素数) | 標準:4800万 超広角:800万 マクロ:500万 ポートレート:200万 内:1600万 | ★★★☆☆ 機能的には多め。F値1.79のそこそこ明るいレンズに、普通のセンサーサイズ |
オプション | ・指紋認証 ・顔認証 ・画面保護フィルム ・ケース ・充電アダプタ ・USB-Cケーブル | ★★★☆☆ 充電器は海外規格のため、変換アダプタが必要 |
★合計 | 50点満点中 | 28点 |
エントリークラスだが、Mi Note 10 Liteより性能がいい
Redmi Note 9Sはエントリークラスのスマホだ。
価格も2万円台と、かなり手に入れやすい価格となっている。
値段は安いのだが、なんと性能は前述のMi Note 10 Liteより上となっている。
搭載されているSoCの性能がMi Note 10 Liteより上なのだ。一見下位モデルを使っているのに、なぜこうなっているのか私にはよくわからない。
とにかく高性能なのは間違いない。
Redmi Note 9Sは24800円のモデルと29800円のモデルが存在するのだが、29800円のモデルの方がお勧めだ。明らかに後者の方がコスパが高い。
カメラと画面はMi Note 10 Liteの方がいい
性能は高いのだが、もちろん値段なりにスペックが低い点もある。
カメラと画面はMi Note 10 Liteの方が明確に良いだろう。
センサーサイズはMi Note 10 Liteの方が大きいし、画面は有機ELの方が美しい。
逆に言うと、これらにこだわりがないならRedmi Note 9Sを選んだ方が良い。性能は上だし、値段は安いからだ。
日本向けにバンド対応を補強してきた
Redmi Note 9Sは素晴らしいスマホだが、日本においてはお勧めしづらい事情があった。
それはバンド対応の貧弱さだ。
実はスマホに使われる電波は、国によってバンド(周波数)が異なっており、日本の電波に対応したスマホでないと使えない可能性がある。
日本に本格的に進出していないXiaomiのスマホは、バンド対応が弱かったのだ。
だが、その点もRedmi Note 9Sはしっかり補強してきた。
私が公式のカタログを読む限り、docomo・au・SoftBank・楽天にしっかり対応している。
これによってRedmi Note 9Sはさらに隙の無いスマホに仕上がった。
ライバルと比べてどうなのか?
Mi Note 10 Liteと同様に、ライバルとの比較も解説しよう。
Xiaomiが発表時に比較に用いたのは、AQUOS Sense3 PlusとOPPO Reno Aだ。
※Xaiomiの発表時の表を参考に作成
Redmi Note 9S (上位モデル) | AQUOS Sense3 Plus | OPPO Reno A | |
画面 | 6.67インチ 液晶 | 6.0インチ 液晶 | 6.4インチ 有機EL |
SoC | Snapdragon 720G | Snapdragon 636 | Snapdragon 710 |
背面カメラ | 4800万画素 4眼構成 | 1200万画素 2眼構成 | 1600万画素 2眼構成 |
前面カメラ | 1600万画素 | 800万画素 | 2500万画素 |
バッテリー | 5020mAh | 4000mAh | 3600mAh |
赤外線リモコン | あり | なし | なし |
メモリ | 6ギガ | 6ギガ | 6ギガ |
ストレージ | 128ギガ | 128ギガ | 64ギガ |
価格 | 29800円 | 53800円 | 39380円 |
まずAQUOS Sense3 Plusとの比較だが、ほぼすべてにおいてRedmi Note 9Sが上回っている。
というか、これもMi Note 10 Liteの時と同様に、相手が弱すぎる。まあ、発表会で都合の悪い情報を出すのも微妙なので、仕方のないところだろうが。
しかし、こんなコスパお化けと比較されるAQUOS Sense3 Plusが不憫で仕方がない。値段を見ればわかると思うが、コスパに差があり過ぎる。
なんでAQUOS Sense3ではなく、AQUOS Sense3 Plusを持ってきたのだろうか? 前者ならまだ勝負になったのに、これでは公開処刑だ。
次にOPPO Reno Aとの比較だ。こちらは相手にとって不足はない。
Xiaomiは前面カメラ以外のすべてがRedmi 9Sの方が優れていると述べていた。
私は、処理性能とカメラとバッテリーについては同意する。
まず、性能はSoCが新しい世代の物であるため、Redmi Note 9Sの方が上だ。
カメラに関しては、画素数はともかく、4眼構成であることの差はでかい。
バッテリー容量は明らかにRedmi Note 9Sの方が多い。
では、それ以外の項目はどうか?
まず画面に関してだが、Xiaomiは画面の大きさで上回っていると判断したようだが、画面パネルはOPPO Reno Aの方が豪華だ。こちらの差の方がでかいと思う。
ストレージはOPPO Reno Aも楽天モバイル版を買えば128ギガとなる。値段も特に変わらない。
総合的なコスパに関してだが、表に出ていない部分も含めると、それほど差はないと感じた。OPPO Reno Aはオプションが充実しているのだ。Redmi Note 9Sはおサイフケータイや防塵防水(防滴はある)はないが、OPPO Reno Aは両方備えている。あとは、重さもOPPO Reno Aの方がだいぶ軽い。
結論としては、ユーザーの使い方によって、適したスマホを選んでほしいということだ。おサイフケータイや防塵防水を重視するならOPPO Reno Aの方が良い。逆に、性能やバッテリーといった基本的な部分を重視するなら、Redmi Note 9Sを選んだ方が良い。
あなたがスマホに何を求めているのか、あらためて考えることをお勧めする。
すでにAmazonで予約が開始されている
Mi Note 10 Liteと同様、さっそくAmazonで予約が開始されていた。
こちらも正規代理店ではない並行輸入品が多数存在していることに注意してほしい。それらはバンド対応や技適の有無などが日本向けの物とは違う可能性がある。
下記のリンクから飛べば、正規代理店の商品に行ける。ぜひ覗いてみてほしい。