2020年2月24日、Xperia 1 II、Xperia 10 IIが発表された。この二機種は注目している方も多いようで、当ブログの記事にも大変多くの方が訪れている。
だが実は、この二機種の他に、更にハイスペックな端末が発表されたことをご存知だろうか。その名も「Xperia PRO」。映像制作のプロのために作られた端末である。
中々良い名前だと思う。Xperia 1 IIとXperia 10 IIの時は散々名前に突っ込んだが、この端末はコンセプトが分かりやすくていい。後継機を作るときも名前は「Xperia PRO II」か「Xperia PRO 2」となるだろうから、混乱を招くこともあるまい。
ただし、過去に「Xperia Pro」というほとんど同名の端末が発売されていたようで、なぜ今回の端末を「Xperia Pro 2」としなかったのか疑問に思う。
この端末は元々(物理的にも)尖っていたXperiaをさらに尖らせた、映像制作専門の端末である。普通の人がこの端末を買う必要は全く無いが、没個性の中途半端な端末よりも遥かに好印象だ。値段がどれだけ高くなるのか不安だが。
スペックと評価
項目 | 詳細 | 評価 |
発売日 | 未定 | - |
値段(コスパ) | 未定 | ☆☆☆☆☆ いくらになるのか恐ろしい |
CPU(処理性能) | Snapdragon 865 | ★★★★★ 現状最高の性能。Xperia 1 IIと同じ |
メモリ | 8GB | ★★★★☆ 十分な容量。Xperia 1 IIと同じ |
バッテリー(電池) | 4000mAh | ★★★★☆ 大容量。Xperia 1 IIと同じだが、ワイヤレス充電が無くなってしまった |
写真などの保存容量 | 512GB | ★★★★★ 大大容量。映像制作に特化したスマホなので、この仕様は妥当 |
画面の綺麗さ | 有機EL | ★★★★★ 滅茶苦茶綺麗。Xperia 1 IIと同じ。 |
解像度 | 3840*1644 | ★★★★★ 縦長。オンリーワンの特徴なので、評価したい。Xperia 1 IIと同じ |
防塵防水 | IP68 | ★★★★★ 風呂でも使えそう。Xperia 1 IIと同じ |
カメラ | 外:1200M 望遠:1200M 広角:1200M ToF 内:800M | ★★★★☆ カメラ性能は期待できる。Xperia 1 IIと同じ |
オプション | 不明 | ☆☆☆☆☆ |
★合計 | 50点満点中 | 37点↑ |
Xperia 1 IIからの変更点は少ない
プロ仕様のXperiaと言う事だが、実はスペック自体はXperia 1 IIとほとんど変更が無い。具体的な変更点は下記の通りだ。
- 本体がわずかに大きくなった
- ボディが樹脂製になった
- 保存容量が512GBになった
- ワイヤレス充電が無くなった
- 5Gのミリ波に対応した
- HDMIの入力端子が増えた
- おサイフケータイが無くなった
ざっと書くとこの7つである。スペックアップというよりは仕様変更の部分が多い。特にワイヤレス充電とおサイフケータイが無くなっている点は要注意だ。利便性を捨ててでも機能を特化させた、完全にプロユースの端末という訳だ。
「5Gのミリ波ってなんだ?」と思った方に説明すると、実は5Gにもいくつか種類があるのである。一つはSub6という周波数の低い物で、もう一つがミリ波という周波数の高い物である。ミリ波の方が高速だが、その代わりに障害物などに弱いという特徴がある。
実は現在発表されている5G対応端末はほとんどがSub6のみの対応となっている。つまり本当に高速な5Gが使える端末はほとんどない。これにはXperia 1 IIも含まれる。
それに対して今回のXperia PROはSub6もミリ波も両方対応している。真の5G対応端末という訳だ。
デジタルカメラと接続してモニターとして使用できる
このスマホの大きな特徴なのが、HDMIの入力端子を備えることで、デジタルカメラのモニターとして使えるようになることだ。
デジカメは大きなレンズやセンサーを備えることで、スマホよりも美麗な写真を撮ることが出来るが、その映像を確認する画面は小さいという弱点がある。
デジカメを使っていると、いざパソコンに取り込んで大画面で確認したときに、印象が違う……ということが良くあるのだが、Xperia PROを使えばそのようなことは無いだろう。
Xperia PROとデジカメで接続することで、大画面かつ有機ELの美麗な画面で、撮影しながら映像を確認できる。映像のプロにとってこれほど便利な機能は他にないのではないだろうか。
映像制作以外はむしろXperia 1 IIに劣る部分も多いので、普通の人は買わなくていい
とはいえ、だ。そういう機能が必要な人は多くない。普通の人はスマホで写真が撮れれば十分であるし、5Gのミリ波対応も5G設備が整わないと無意味なものなので、今すぐ買ってもあまり役に立たない。
その上、ワイヤレス充電やおサイフケータイが無いなど、むしろXperia 1 IIに劣る部分もある。普通に使う分にはむしろ不便になっているので、わざわざ高い金を出してXperia PROを買う必要はない。
さらに不安なのが、この端末の値段がまだ発表されていない点だ。下位モデルとなるXperia 1 IIの時点で1199ユーロ(約142000円)もするのに、プロユースのこの端末だとどうなるのか。間違いなくXperia 1 IIより高くなるだろう。一般人にはますます手を出す必要性が無くなる。
でもコンセプトは尖ってて好き
あえて買う必要はないし欲しくも無いが、私はこのスマホが嫌いではない。誰向けに作ったのかよくわからないような中途半端なスマホよりは、今回のようなターゲットをはっきりさせた尖ったモデルの方がはるかに好感が持てる。
おそらく滅茶苦茶高価なスマホになるだろうが、それでも必要な人にとっては最高のスマホになるだろう。なってほしい。
ソニーにはこれからも自分たちにしか作れないものを追及していってほしい。そして出来れば、他社に負けないくらいコスパの高い端末を出してくれると嬉しい。やっぱりXperiaは高すぎるよ。
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