ついに発表された。格安スマホの大本命、AppleのiPhone SE(2020)が2020年4月24日に発売されるのだ。
私は今日にいたるまで、やれ3月に発表されるだの、4月の第一週に発表されるだの、散々ガセ情報に振り回されてきた。だが、今度こそ本当らしい。
そして事前情報では5万円をこえるかもしれないとか、不安な情報が流れていた。だが、実際の仕様を見た私は唸った。
「ハイエンドの処理性能に、格安スマホ並みの価格。こいつはコスパ最高の格安スマホだ」
スペックと評価
※2020年度のスマホの評価基準をもとに作成
項目 | 詳細 | 評価 |
発売日 | 2020/4/24 | - |
値段(コスパ) | 64GB/44800円 128GB/49800円 256GB/60800円 | ★★★★★ 最高のコストパフォーマンス |
SoC(処理性能) | A13 Bionic antutu 50万点 | ★★★★★ 現状ほぼ最高の性能。iPhone11と同等 |
メモリ | 4GB? | ★★☆☆☆ iPhone8と同等? Androidと比べると少なめだが、iOSはメモリ管理が優れているため、それほど問題にならない |
バッテリー(電池) | 1821mAh? 18W急速充電 ワイヤレス充電有 | ★☆☆☆☆ かなり少なく感じるが、iPhoneはAndroidと比べると消費電力が少ない。が、それにしても少し心もとない |
写真などの保存容量 | 64/128/256 | ★★☆☆☆ 64で星2つ。 |
画面の綺麗さ | IPS液晶 1334*750 60Hz | ★★☆☆☆ 解像度は低めだが、本体が小さいので十分綺麗。ただし、ベゼルがでかくてデザインが少々古臭い |
携帯性 | 67.3*138.4*7.3 148g | ★★★★★ iPhone8と同じ。最近のスマホとしては小さめ |
防塵防水 | IP67 | ★★★★☆ 30分の耐水性能あり |
カメラ(画素数) | 広角:1200万 内:700万 | ★★★☆☆ 画質は期待できるが、シングルカメラなので最近のスマホとしては機能が少なめ |
オプション | ・指紋認証 ・Apple Pay ・デュアルSIM(一つはeSIM) ・EarPods with Lightning Connector ・Lightning - USBケーブル ・電源アダプタ | ★★★☆☆ 指紋認証が復活。顔認証より嬉しい |
★合計 | 50点満点中 | 32点 |
ほぼ最高の処理性能なのに、値段は格安
iPhone SEにはA13 BionicというSoCが搭載されている。これはiPhone 11と同じSoCで、現在ほぼ最高の処理性能を持っている。
SoC:スマホの処理性能を決める部品。CPUやGPUを一つのチップに纏めて搭載している。System on a Chipの略。
スマホの性能を測るベンチマークソフト(antutu)のスコアは約50万点。この性能を超えるSoCは2020年4月現在、Snapdragon 865しかない。そしてSnapdragon 865のスコアは約56万点となり、実はiPhone SEと大した差は無い。つまり、iPhone SEは現状ほぼ最高の性能と言える。
性能には大した差がないのだが、両者には大きな違いがある。それはコストパフォーマンスの高さだ。
現在最高性能であるSnapdragon 865を搭載したスマホは、軒並み10万円を超える高価格となっている。例えばGalaxy S20はdocomoで102,960円となり、AQUOS R5Gは111,672円となる。めちゃくちゃ高い。
それに対してiPhone SEはどうか。性能はほぼ同じなのに、価格は44,800円。格安スマホ並みの値段だ。
iPhone SEとそれ以外の高性能端末では、コストパフォーマンスに天と地ほどの差があると言っていい。
5Gスマホはまだ必要ない
iPhone SEに対するSnapdragon 865搭載端末の有利な点と言えば、5Gに対応していることが挙げられる。
だが、Oneplus 7TやRealme X2 Proのレビューでも述べたが、5Gスマホは今はまだ必要ない。なぜかというと、5Gは現在使えるエリアが限られるうえ、その状況は今後しばらく続くとみられるからだ。
5Gが使えるようになるには、スマホの対応の他に、電波を発信するための設備が整う必要がある。そしてdocomoとauは、2024年までに全国の9割をカバーする計画としている。
参考:第5世代移動通信システム(5G)の導入のための 特定基地局の開設計画の認定
つまり、5G端末はしばらくは5Gがまともに使えず、単にコスパの悪い4G端末となってしまうのである。
今5G端末を買ったり、発売を待ったりするのは全く得策ではない。現在コスパの高い端末を買って、5Gが普及したころに5G端末を買うのが賢い。そのころには5G端末の価格も落ち着いているはずだ。
そして現在最高のコスパの端末と言うと、iPhone SEとなるわけである。
数値以上の性能を持つiPhone
iPhone SEはメモリやバッテリーなどの数値が公表されていないが、本体にiPhone 8を流用していることから、それと同等の物になると見られている。
iPhone SEの発売と同時にiPhone 8は発売終了となるため、これはほぼ間違いない。そしてiPhone 8と同じなら、iPhone SEのメモリは4GB、バッテリーは1821mAhとなる。
この数値は、普段Androidスマホを使っている人からすると、非常に少なく感じるはずだ。
Androidには格安スマホでもメモリが6GB以上の物があるし、バッテリーは最低でも3000mAh以上ある。それですら最近は少ないと感じるほどだ。
iPhone SEのスペックには不安を覚えるかもしれない。だが、iPhoneは優れたメモリ管理と省電力性能により、数値以上に性能を発揮するようになっている。
メモリ4GBのiPhone 8は、メモリ6GBのAndroidと同じくらいアプリを立ち上げても、タスクキルされることが無い。
バッテリー1821mAhのiPhone 8は、バッテリー3000mAhのAndroidと同じくらいバッテリーが長持ちする。いや、iPhone SEはSoCがA13 Bionicになって省電力性能が上がっているので、更に長持ちするかもしれない。
カタログスペックが低めなので当ブログの評価の数値は低めになっているが、実際にはそれ以上のポテンシャルがあると思って良い。
デザインは少々古い
ここまで褒めてきたが、もちろんiPhone SEに不満が無いわけではない。
一番気になるのが、本体のデザインだ。iPhone 8を元にしているので、画面の上下には大きな額縁がある。今時のスマホはベゼルレスが当たり前になっているので、少々古臭く感じる。
iPhone 11のようにベゼルレスにしてほしかったが、そうなるとコストが上がって今の価格には出来ないと思うので、コスパとトレードオフになったとみるべきだろう。
デザインとコスパどちらを取るかと言われれば、大体の人はコスパを優先してほしいと思うだろう。私も同じなので、この選択は正しいと思う。なので、デザインについてはこれ以上追及しない。
もう一つの不満点は、充電端子がLightningケーブルということだろうか。本体の購入と同時についてくるから、投資が必要ないという面では特に文句は無いが、Lightningケーブルは耐久性に問題があると思っている。
それというのも、私の隣に座っている上司が、ボロボロになったLightningケーブルを使っているのを見ているからだ。それも、セロハンテープで何重にも補強して、それでも接触が悪そうなのを目にしている。
「USB Type-Cケーブルならこんなことはないんだろうなあ……」とよく思っている。
まあ、この不満は多少気になるといった程度だ。別に使えない訳ではないし、買わない理由というほどではない。
果たして手に入るのか?
一番の問題は、この端末が果たして手に入るのか? と言う事だ。
このスマホのコスパが高いことは、私が解説するまでもなく、賢い消費者なら良くわかっていることだろう。
また、iPhone 8が終売となることで、その需要はそのままiPhone SEに向かうことになる。
iPhone SE(とiPhone 8)の良い所は、最近のスマホの中では非常にコンパクトで軽いということだ。この需要を満たすスマホは現状ほとんど存在しない。
iPhone 11はでかくて重いし、iPhone 11 Proはめちゃくちゃ高い(それに大して小さくもない)。
コンパクトで性能が高くて、なおかつコスパが高い端末など、iPhone SE以外に存在しない。
私は争奪戦が必至だと見ている。果たして私は無事に予約することができるだろうか。
できたらブログで自慢する。できなかったらふて寝する。
あなたもiPhone SEが欲しい場合は公式サイトを注視した方がいい。予約は4月17日の午後9時からとのことだ。
それでは、あなたに快適なスマホライフが訪れることを願っている。