どうやらまたしても出てしまうらしい。精密機器である画面を直接折り曲げる狂気のスマホ、Galaxy Fold2の情報がリークされた。
なぜメーカーはこれほどまでに画面を曲げたがるのだろうか。2画面スマホ自体は未来があると思うが、不可逆な物質を曲げる方式に未来はないと思うのだが。
この方式を成功させるには、一日100回の開閉を5年繰り返しても劣化しないミラクル物質を作るしかない。私としては、それがアスベストのように健康を害するものでないことを祈るばかりだ。
ともかく、Galaxy Fold2の話だ。まだ詳しいスペックは明らかになっていないが、現在の情報でもすでに不安を覚える材料がそろっている。
リークによると、Galaxy Fold2の画面にはガラスによるハードコートが施されるらしい。それを聞いて私はあるスマホを思い出した。
画面に爪を立てただけで二度と消えない傷がついてしまう、Galaxy Z Flipが……
スペックと評価
※2020年度のスマホの評価基準をもとに作成
項目 | 詳細 | 評価 |
発売日 | 2020年9月? | - |
値段(コスパ) | 1780~1980ドル?(20万円前後) | ★☆☆☆☆ 前機種より安くなった。それでも高すぎ。 |
SoC(処理性能) | 不明 | ☆☆☆☆☆ 不明だが、ハイエンド機種なので最高のものを積んでくるだろう |
メモリ | 不明 | ☆☆☆☆☆ 前機種の12GBと同等以上にしてくるだろう |
バッテリー(電池) | 不明 | ☆☆☆☆☆ 前機種は4380mAh。ディスプレイが二つあるので、その分多く積んでほしい |
写真などの保存容量 | 不明 | ☆☆☆☆☆ 前機種は512ギガ。十分すぎる容量 |
画面の綺麗さ | 2213*1689 120Hz 有機EL | ★★★★☆ 綺麗で大きい画面なのだが、耐久性が気になりすぎる |
携帯性 | 不明 | ☆☆☆☆☆ たためば小さいが、開くとでかい。どちらにせよ非常に重い。 |
防塵防水 | 不明 | ☆☆☆☆☆ おそらく構造上防水対応は無理 |
カメラ(画素数) | 外1:1200万 外2:1600万 外3:6400万 | ★★★☆☆ トリプルカメラ構成。前機種を踏襲するとしたら、広角・望遠・超広角だろうか? |
オプション | ・Sペン ・5G対応 | ★★★☆☆ Sペンが付属? |
★合計 | 50点満点中 | 11点↑ |
処理性能はおそらく最高
上記の表を見てもらえばわかると思うが、現在分かっていることはほとんどない。なので、今回は私の想像も交えて話していこう。
まず処理性能だが、Galaxy Foldはハイエンド端末だ。その上に5Gに対応することがリークされているので、搭載されるのはSnapdragon 865である可能性が高い。
このSoCの性能は現時点で最高の物で、去年の最高端末iPhone 11 Pro Maxより性能が高い。性能は期待していいだろう。
ただし、こちらも詳細はまだわかっていないが、iPhone 12のリーク情報も入ってきている。毎年のことになるが、iPhone 12はAndroidの最高性能を軽々と上回ってくるだろう。
Galaxy Fold2が発売されるころには、すでに最高性能の端末ではないかもしれない。
カメラは前機種と同様に3眼構成
リークによるとカメラは前機種と同様に3眼構成となるようだ。
それぞれ1200万画素、1600万画素、6400万画素という画素数になるという。
どのカメラがどういう機能を持つかまでは不明だが、前機種を踏襲するなら広角・望遠・超広角となるのではないだろうか。
昨今のハイエンドスマホカメラの情勢を鑑みても、これが妥当な構成だと思う。背景をぼかすポートレート撮影は、専用のカメラが無くとも、ソフトウェアによる画像処理で可能だ。
構成は前機種を踏襲しつつも、画素数を向上させたといった所か。
ディスプレイは有機ELで120Hz
ディスプレイは前機種と同様に有機ELとなるようだ。
現時点で曲げられる実用的なパネルが有機ELしかないので当然だろう。電子ペーパーは動画をよく再生するスマホには不向きだし、フレキシブル液晶は有機ELに押されて普及が進んでいない。
パネルの方式は前機種と同様だが、画面の滑らかさに影響するリフレッシュレートは大きく向上するようだ。
リフレッシュレート:一秒間に画面を書き換える回数。数値が大きい方が画面が滑らかに動作する。
2020年度のハイエンドスマホは90Hz以上備えていることがトレンドになっているが、Galaxy Fold2は120Hzとなる。
スマホを開いた時の大画面が本機種のウリになるので、高リフレッシュレートにしたのは正解だと思う。おそらくスマホで最も美しく大きな映像を楽しめる端末となるだろう。
ただし、リフレッシュレートを上げると端末の消費電力は激増する。しかもGalaxy Fold2の画面サイズは普通のスマホの2倍だ。消費電力も格段に大きくなるだろう。
バッテリーの容量も増やしてくることが予想できるが、果たしてディスプレイの消費電力と釣り合うのか?
やっぱり不安な画面の耐久性
消費電力も不安だが、やはり最大の懸念は画面の耐久性だ。
なにせ精密機器である画面を折り曲げてしまうのだ。しかもスマホは最もよく使うデバイスである。一日に開閉する回数は10回どころではない。
当然誰もが気にするわけで、折りたたみスマホはメディアの格好の実験材料となっている。そして獲物となったアメリカのスマホメーカーMotorolaの「motorola razr」はあっという間にぶっ壊れてしまった。
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それに対してGalaxy Foldはどうだったか。リリース前に不具合が発覚して発売を延期することになったが、Samsungは短期間でこの問題を解決し、発売にこぎつけた。
そしてmotorola razrがあっという間にぶっ壊れた試験を、5倍以上の回数を耐えたのである。これはハッキリ言って凄いとしか言いようがない。
ではGalaxy Fold2も大丈夫なのか。あれから1年がたち、さらなる耐久性向上が図られているのか。
それはまだわからないが、リーク情報には耐久性に関するある情報が載っていた。
「Galaxy Fold2には、画面にガラスによるハードコートが施されている」という物である。
普通なら「それなら安心だね」と思うところだが、私は嫌な予感がした。なぜなら、あのGalaxy Z Flipも画面にガラスによるハードコートが施されているという触れ込みがあったからだ。
Galaxy Z Flipは私も実機を拝見した。その表面には、普通のスマホにはあり得ないほど鮮明な傷が無数についていたのである。私と同じように耐久性を確認しようとした誰かが試したのだ。
実はGalaxy Z Flipの画面は、爪を軽く立てただけで二度と消えない傷がつくほど耐久性が低かったのである。これについては、下記のGalaxy Z Flipの記事を読んでみてほしい。
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話を戻すが、Galaxy Fold2はGalaxy Z Flipと同じような触れ込みで、表面に何らかのコーティングが施されている。
これで不安を覚えずにいられるか?
SamsungはGalaxy Z Flipで犯した間違いをGalaxy Fold2でも犯すのかもしれない。まだ本当の所はわからないが、私の杞憂であることを祈る。
物好きにしかおすすめできない
私はフォルダブルスマホのレビューのたびに言っているのだが、そもそもスマホは折り曲げる必要性が全くない。
画面を広くしてまで出来ること(やりたいこと)がほとんどないし、片手で持つのが困難なくらい重くなるからだ。一々開く動作が必要なのもスマートさに欠ける。
もう少し言うと、Galaxy Fold2のような横折りの端末はまだいいのだが、Galaxy Z Flipのような縦折りスマホは存在意義が分からない。横折りスマホに比べてメリットがほとんどないからだ。
そして苦労して作ったフォルダブルスマホは、性能に対して価格がめちゃくちゃ高価になる。コストパフォーマンスは最悪だ。
もしあなたがガジェットオタクでなく普通の人なら、悪いことは言わない。フォルダブルスマホには手を出さない方がいい。
家電量販店でサンプルを触って楽しむ程度にしておくことをお勧めする。